NHK放送文化研究所
「2013年 春の研究発表とシンポジウム」
シンポジウム
ソーシャルパワーがテレビを変える~
(2)テレビはラジオ化する
シンポジウムを聞きながら、ツイッターで何度となくつぶやいた。
「テレビはラジオ化すると思います。
つまり、ラジオ番組がリクエストなどで番組がつくられているように、
番組をプラットフォームにして、人々が集まる広場ができたり、
そこにSNSが展開されると面白いです。」
「AKBのファンがアイドルを育てるのを楽しんでいるように、
人々は番組に参 加して育てたいという欲求を持っていると思います。」
「テレビはかつてのような圧倒的存在ではなく、
もっと人々の意識に近くなる必要があると思います。」
などなど。
テレビが登場した当時、まだまだテレビが未知の存在でラジオが主流だったのが、あっという間にテレビがマスメディアの主流になった。
マクルーハンは、テレビを「クール」なメディアと読んだ。クールなメディアとは、解像度が低いもの。テレビが登場したころの画像は白黒だったり、カラーになっても画面はさほど鮮明ではなかったり。そういった不完全な情報に対して、受け手は不完全な部分を自ら補完しようと、能動的に情報に接する。
しかし、テレビは進化して、解像度の高い鮮明な画面になり、わかりやすさが最重要な番組づくりによって、「ホット」になった。ホットなメディアに対し、受け手は全く受動的になる。
1980年代ころには、完全に人々はテレビになじみ、情報に対して受け身で、情報を肌で感じることに慣れてしまっていた。
しかし、インターネットという新しいメディアが人々を変えた。ネット上の情報は玉石混淆で画像も鮮明でないものが多い。情報の真偽もあやしいものも多い。インターネットは「クール」なのだ。人々は情報に対し、懐疑的に接し、情報を取捨選別する。しかも、自分から情報を発信することも容易。情報に対し、すっかり能動的になった。
テレビが「ホット」なままではつまらないのだ。特に、東日本大震災の後、テレビの情報がいかに管理統制されているものなのか、人々はまざまざと見てしまった。いいかげんな情報はネットですぐに暴かれる。
ごまかしは通用しないし、テレビが上から目線で作った仕掛けやシナリオや広告に人々は踊らない。そして、人々の情報を発信したい、能動的に参加したい、という人々の意識に応えるには、テレビはラジオ化するのが1つの方法だ。ラジオ番組がリスナーのお便りで構成されていくように、双方向性を高めること。番組という場にたくさんの人が集い、コミュニティが出来上がるくらいに。たくさんの人から寄せられる声、情報をテレビが取捨選択し、紹介する。そして、それによって、ネット上のSNSが盛り上がり、さらにテレビにはね返ってくる。そうやって、人々とテレビがコミュニケーションを楽しめるようになれば、そこにテレビ局の人にも予測不可知なものが生まれ、「クール」なメディアになる。これは、ニュースや情報番組やバラエティなどで既に試みられていて、とても興味深い。
2013.4.1
もうすこしつづくかも
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Austin Mickley (水曜日, 01 2月 2017 19:58)
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